平和な日々、健康な日々
そねクリニックは新宿にあり、世情の移り変わりには比較的敏感でいられます。最近のことですがドーナツ屋さんができて朝7時からやっているのです。しかも7時から開くというのに、既に並んでいる。
こんな幸せな空間や時間を誰が保証してくれたのかな、とほのぼのとした気分になります。
しかし世界に目をむけてみると、どうでしょう。なんともアンバランスな気持ちになります。
私たちの国だって今後どうなるかわかりません。
とはいえ、いまはドーナツ食べるために朝早く並べるんだから、並んじゃおう!ということでしょうか。これがウワサの○○○ドーナッツ!、おいしいらしいし!!、食べてみなけりゃ損しちゃう!って思いながら。
この寒いのに六本木ではいまだにアイスクリームでも長蛇の列がありますね。
意識することではないのですが、今のこんな無邪気な時間を気持ちの赴くままにすごせる・・・。
健康なんていうのもそんなもののように思えました。
残念ながら私はまだドーナツ屋さんにもアイスクリーム屋さんにも並んでいません。
肥満の治療
肥満は食べるエネルギーよりも消費するエネルギーのほうが少ないときにおきます。
当たり前ですね。
食べ物が霞であれば”仙人”のようにスマートでいられますが、私たちが口にする食物では食べてしまえば消費しないかぎり、消えてなくなることはありません。
食べ過ぎた状況を治療する方法は現在のところご本人の生活習慣の改善以外にありません。
基本的に薬物療法はないのです。そうなのです。薬はないのです(現在のところ超肥満BMI35以上の方にお出しする薬はありますがこれとても一時しのぎです)。
そねクリニックでは肥満外来をしていますが、肥満外来を訪れる多くの方々がなにか良い”神様の薬”を求めていらっしゃいます。しかしそこで私が生活習慣の改善しかない、とお話しするとほとんどの方が落胆し、再度通院されることがありません。
ところがここでそんな状況にもめげずに通院なさる方がいらっしゃる。2週に1度お見えになっても生活状況のノートと体重の記録を見せて私と話すだけですが。こういう方は1年2年と経ってみるとやせている。
目に見えてやせることはありません。せいぜい体重の10%くらいでしょうか。
でもやせてくる。
何が変わったのかきいてみると、やはり生活習慣が変わったとおっしゃいます。どう変わったのかときくと、私の言うとおりにしたと。なぜすぐに生活習慣が変わらなかったのかときくと、できないと思っていたと。
私が拝見していて外来を重ねていくうちにわかるのですが、”これではいけない””何とかしよう””まず言われたことをやってみよう”なんていうステップをゆっくり歩んでいくように思えます。
つまりそねクリニックの肥満外来は励ましていたりすることだけのようです。スローフードならぬスロークリニックでしょうか。なので特別な費用もかかっていません。まず何でもよいから通ってみる、そこで考えてみる。
何かが起きればそのたびに新しい状況に対応するのですね。健康を守る基本です。
コンプラアンス
先日の不二家の事件でコンプラアンスという言葉が一般の方々にも理解されるようになりました。
医学用語でもコンプラアンスという言葉があります。
ひとつは呼吸生理で肺の膨らみやすさを表す言葉であり、もう一つは薬の服薬遵守状況をさします。
医学的用語の解説はさておき、不二家事件でのコンプライアンスというのは法令順守という意味ですね。この事件で不二家の食品を食べて具合が悪くなった人は、私の知る限りいないかと思います。いらした場合には情報収集不足で申し訳ありません。少なくともめだった形で被害が出たわけではないということです。
それでも不二家はコンプライアンスを守らなかったために”世論”の裁きを受けました。
裁きというのは法治国家にとって根幹ですね。その基本は信頼だと思います。いうこととやっていることが異なっていては信頼は得られません。法律であれ、世論であれ、裁きを受けるのです。しかも許可を頂いて営業している以上その信頼に応えるべきです。許可をも受けずに許可を受けるべき事業を営んでいるなどというのは論外です。
みんなで信頼をし合って生きていく社会というはすばらしい社会です。そういう社会を築いているためには一人ひとりが責任をもって生きていかねばならないのですね。
私のクリニックでは毎朝の朝礼の際に簡単なコメントを話していますが、コンプラアンスの話をしたときに、このようなことを話しました。
たとえば、薬剤の使用期限が2007.3となっていたとします。つまり2007年3月までということですね。ではこの薬を使う事情があって今の時刻が2007年4月1日午前0時1分であった場合、この薬剤を使ってもよいかどうか。一般には”よい”と判断もできるかもしれません。しかし私はコメディカルスタッフにこういう状況でもコンプラアンスを重視する立場を貫くように話しました。
このような状況でも使用して何か問題が起きることはおそらく少ないでしょう。でも問題が起きるかどうかというよりも、法令を守るという態度、姿勢が大切なのであって、いい加減な判断はもはや許されない時代になってきたということですね。たとえ”ほとんども問題ない”としても。
法令順守を貫くという気持ちのほうが、”大丈夫だろう”というような気持ち、または時に考えてしまう”もったいないのでは?”というような”経済観念”よりも重要なことだということです。コンプライアンスの重視を今後ともクリニックでは続けていこうと思います。
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