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医療ニュース:歯磨きでインフルエンザ予防?!
インフルエンザ対策で”ためしてガッテン”に紹介されたそうである。
歯磨きを励行した群(ケース)とそうでない群(コントロール)で比較したところ、励行した群でインフルエンザの発生がコントロールに比べ有意に低かったという結果である。http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090306-00000002-cbn-soci
この場合、委員会の方々もそうそうたるもので、アカデミックな権威がついていて、NHKも賛同したのだろう。前向きコホートとして考えられた。
この研究はいわゆる探索的研究の部類に入る。これによって結論づけることはまだできない。すなわちサジェスティブな示唆の域を出ない。論文として発表されても追試されていない。
治療効果、すなわち結果に対する介入を行う研究で、記述的に結論づける場合はいわゆるランダム化比較試験(RCT)以外にない。結論を得るためには対象と介入(歯磨き?)、結果(アウトカム)をきちんと測る必要がある。このきちんと測るという操作は、たとえば
1)対象:どんな対象者か?高齢者なのか、成人なのか、児童なのか、そのミックスなのか。それらの方々に必ず書面でこのような試験をするのだというご許可をいただかないといけない。
これを何人選ぶか。そのためにはインフルエンザの発生頻度から計算されなければならない。好きな数だけとか集められるだけとか費用の限界だからとかという理由で集めるべき人数が制限されてはならない。
2)歯磨き:なにをもって歯磨きとするか。どのような行為を歯磨きとするか。歯磨き粉をつけるのか、いつするのか、1日何回するのか、1回何分するのか、誰がするのか(本人か、介護者か)などを詳細に決定しなければならない。そしてそれを確認しなければならない。それをいつからするのか。冬の間だけかどうか。虫歯だったらどうするか、糖尿病や喫煙についても交絡因子として検討しておかなければならない。
3)結果:インフルエンザの感染をどのように判定するか。なにをもってインフルエンザと考えるか。 発熱か、ウイルスの同定か、以前の抗体がある場合などをどうするか。A型かB型かなどもふくめて。
などなど。
これらの試験に耐えて”歯磨き”が有効であれば、初めて歯磨きがインフルエンザに有効と結論できる。
今回のスタディが話題提供と考えればそれですむことではあるが・・・。
この話題だけでないのだが、治療介入の効果はRCT以外には決定できない。にもかかわらず、調査(日本ではこれも研究といわれてしまう) や後ろ向き研究などで治療介入の効果を結論づけてしまうことがおおい。
にんにく注射 不眠の方へ朗報?
当クリニックにこられている方で、にんにく注射をなさっているかたから にんにく注射は不眠に効く!!! とコメントをいただきました。 もしよろしければお試しください。心血管系イベント(心筋梗塞や脳卒中)のリスクはみな平等?
われわれが将来おこりうる死因としてはがん、心血管系イベント、そして事故であろう。これらで90%以上であろうと思われる。
この中で生活習慣病に密接に関係しているのは心血管イベントすなわち、心筋梗塞や脳卒中です。
この心血管イベントのリスクは結構たくさんあって、
男性、年齢、血圧、脂質(LDLが高い、HDLが低い、トリグリセリド:中性脂肪がたかい)、糖代謝(糖尿病、耐糖能異常など)、体重(内臓脂肪?)、運動不足、食習慣、尿酸、慢性腎臓病などなど。
これらのリスクを低減させるために薬剤をつかうのですが、薬剤を使った結果、時に他のリスクを引き起こす。そのため治療効果がよいのに使いにくい薬剤もあります。
典型的なのは利尿薬。特に降圧薬としての利尿薬;サイアザイド系利尿薬です。
サイアザイド系利尿薬は今日までの降圧治療の中で、ほどんど目の敵にされてきました。現在の降圧薬は種々存在しますが、本邦ではこのサイアザイド系利尿薬は、新薬の対象薬としてさんざんこきおろされてきました。サイアザイドは効かない薬、副作用の多い薬として、他の薬剤の処方を増やすために存在してきたようなものでした。そのために本邦ではサイアザイドをほとんど使ったことのない循環器専門の医師もいるくらいです。
ところが、アメリカのALLHATという研究から利尿薬は今までよいといわれてきたカルシウム拮抗薬やアンジオテンシン変換酵素阻害薬(本邦ではアンジオテンシン受容体拮抗薬のほうが使われている。同等性はあると考えられているが)などの先進的薬剤とほぼ同等の効果;すなわち心血管系イベントの抑制につながると報告されました。
最近になって利用薬とアンジオテンシン受容体拮抗薬の合剤がでてきました。プレミネントです。もうすぐコデュオとかエカードなどもでてきます。すこしおくれてミコンビというのもでます。どれも利尿薬とアンジオテンシン受容体拮抗薬との合剤です。
ここ数年家庭血圧の重要性も指摘されています。その結果、早朝血圧がなかなかコントロールできない例が多く出てきました。そこでサイアザイド系利尿薬をつかったらいっぺんによくなったなどといわれ、サイアザイドの使用がにわかに脚光を浴びるようになってきました。。
このサイアザイド系利尿薬の欠点は
1)尿酸の上昇
2)糖代謝を悪化させる
3)脂質代謝を悪化させる
4)光線過敏症がある。
特に尿酸値の上昇は未解決の問題です。サイアザイドで尿酸の上昇しやすい人とそうでない人、男性と女性、とくに女性では閉経前と閉経後、腎機能の程度などなど、サイアザイド使用による尿酸値の反応性は異なります。その上尿酸上昇と痛風発作はパラレルではありません。
尿酸がこまるのは尿酸値が単に上昇することではないのです。
問題は
1)サイアザイドで尿酸値が治療域まで上昇するか。
2)(尿酸値とは無関係に)痛風発作をおこすが、痛風発作をどのように心血管系のリスクと考えるか。ガイドラインにはリスクは高尿酸血症であり、痛風ではない。
3)尿酸値上昇はどの程度のリスクと考えるか。すなわちたとえばサイアザイドを使って血圧を下げることによるベネフィットと尿酸値が上昇することによるデメリットをどのように考えるか。
3)につてい興味深いデータはSHEP-expansionというスタディーです。糖尿病患者に利尿薬(クロルタリドン)をつかったところ、耐糖能は若干障害されたが、それよりも利尿薬による心血管系イベントが抑制されています。
これらの状況から考えて、利尿薬の効果と尿酸値の上昇についてのスタディが必要です。利尿薬によって尿酸値が7.0以上になる症例や、最初から7.0以上の症例に対して、利尿薬のベネフィットがあるのかどうかスタディするべきでしょう。
内向き消費の時代 ED
ED改善薬が世に出てすでに10年以上(?)たっている。
この薬は効き目が期待できるにもかかわらず、副作用が少ない点ですぐれている。
残念なことは一度クリニックなどで処方してもらっても半数近くのかたがクリニックの処方に頼らずに入手しているというデータがあった。
副作用が少ないとはいえ、服薬する”薬”である。信頼できるところからもらっておきたいと思うのがあたりまえだろう。不況のご時世で危険をおかしてまで入手するという男性の性(さが)でもある。
多くの使用者が述べることであるが、入手までの煩雑さについてである。ネットなどでは手軽さがうけるのであろう。流通が信頼できないと考えたほうが無難である。またクリニックで処方された場合は副作用が出た場合の処置で保障や援助が得られる可能性があるが、ネットなどではその保障の範囲ではない。
もうひとつ。初回来院者の多くの方が、友人からもらった、という場合がある。これはもらうのもあげるのも危険な行為だ。副作用が少ないことはわかる。心情的にもあからさまでは恥ずかしいこともわかる。だからといって友人からもらって、もしその結果なにか副作用でも出ようものなら、友情に傷がつくと考えないものなのか。時には命を奪う。
最初はクリニックでもらってあとはネットで、という多数ケース。これもどういうものなのか。処方してもらうまでの”困難さ”がこのようなことに走る要因であろう。
とはいえ恥ずかしさがないかといえばウソになる。
費用を比べればわかることだが、良心的な費用のところもある。
ED処方をしているところは処方の手軽さを武器に伸長しているが、処方薬としての最低限の手続きは残念ながら必要なのだろう。
内向き消費のひとつとしてどうか安全に使用してほしい。
医療ニュース2 抗ヒスタミン薬の眠気
抗ヒスタミン薬1錠はウィスキー3杯分の判断能力になる、とのこと。
テレビで報道(?)されたそうである。
実際、眠気の来る抗ヒスタミン薬(または花粉症の薬)は眠気がひどくて判断が著しく鈍ることはある。また眠気と効果が相関する場合もあって、使い方は難しい。各社各様のパンフレットで効果と副作用をいっているが、私の実感として、下記のようである。ただし眠気はかなり個人差があるのでその点も考慮してほしい。要は自分に合っていればよいということになる。
効果(効果十分を5、効果薄いを1) と眠気(強い眠気を5眠気がほとんどないを1)を比較する。あくまで個人的印象:
ポララミン 効果3、眠気4
セレスタミン 効果5、眠気4。5
アレロック 効果4、眠気3
ジルテック 効果4、眠気3.5(個人差あり)
ゼスラン 効果3 眠気3(個人差あり)
エバステル 効果3.5、眠気3
アレグラ 効果2、眠気1
タリオン 効果2、眠気2
クラリチン 効果2、眠気1
アイピーディ 効果3、効果1
シングレア 効果2.5、眠気0.5
小清竜湯 効果3、眠気2